ダンディを去る日

■2001/03/22(木)の旅行記

5:00過ぎに目が覚める。時差ボケも解消気味で熟睡できていたのに...。
まぁちょうどいいので荷造りを始める。色々買い物したので結構膨らんだ。ま、何とかなるさ。

8:00に朝食後、9:00にチェックアウト。ホントに過ごしやすいB&Bだった。
#また来よう、と誓ったが未だに実現できていないのが悲しい

バスで街中に行き、乗り換えてDens parkへ。最後のシャツを買うチャンス。
今度こそ無事購入。カニーヒァの背番号とネームをプリントしてもらう。
プリントを待ってる間に、スーツを着たかなり貫禄のあるおじさんに話かけられる。
(後で分かるのだが、ダンディFCの広報関係のエライ人らしい)

　　『クラウディオ(この人はカニーヒァの事をこう呼ぶ)のファンなの?
　　　だったらこの後14:30から練習があるから行ってシャツにサインを貰えば』

という素晴らしい提案。この日は夜行でグラスゴウ→ロンドンの移動だけだし、元々時間は
グラスゴウで潰すつもりだったのでたっぷり有る。
行きます行きます。場所を教えてもらう。バスで簡単に行けるらしい。
#よく考えたら、初日にサインを貰えてすっかり忘れていたけれど、練習に通うつもりで
#ダンディに数日滞在計画を立てていたのだった...。

別れ際に、スーツのおじさんはカウンターにある売り物のキーホルダーを一個取って、
簡単にプレゼントしてくれた。その物の金額に関係なく、嬉しいよね、こういうの。

一度、街中に戻る。荷物を預けようと駅でコインロッカーを探すも全く空いていない。
Tourist info.で聞いてみると安全のため全て使用禁止にしているらしい。仕方ないので諦める。
小さな喫茶店で昼飯を済まし、バスに乗りCaird parkに向かう。

バス停で降りて、しばらく歩いて練習場発見。どうやら市営のグランドらしい。
入っていいものかどうか迷うが、管理棟らしき建物があり人がいたので聞いてみる。
先ほどのおじさんから連絡があったのか、OKとのこと。

こんなグランド。

既に練習は始まっている。先ほどのスーツのおじさんも来ていた。ダンディFCのゲームシャツを
持参しており、選手全員のサインを貰うらしい。多分プレゼントなのだろう。
管理棟に荷物を預け、コーヒーを頂く。退屈しない様にスーツのおじさんは僕のカタコト英語に
付き合って色々話してくれた。
一番心に残っているのは、

　　『本当は、スコットランド、それも地元出身の選手だけでチームを作るのが理想。
　　　でも、それでは強いチームを作ることはできない。
　　　一方で、クラウディオの様な外国人のスター選手を呼ぶことで、君の様なファンを
　　　海外から引き寄せることもできる。難しいところだ...。』

という話。
毎年、レインジャーズとセルティックが優勝争いするスコットランドリーグの中で中位、下位の
チームとそのファンが何を望むかすごく難しいと思う。聞いてて少し切ない気がした。
#この数年後、ダンディFCは結局、財政破綻をおこし、チームの規模縮小を余儀なくされた結果、
#二部落ちしてしまう。

もう一つ、印象的な話。このおじさんとは別の若い人(多分選手の家族か友人)との会話。

　　『日本の何処から来たの』

　　-静岡。(ああ、多分、静岡って何処って聞かれるからいつもの様に、東京と大阪の中間と
　　　答えるか...と思っていたら)

　　『静岡って名古屋に近いの?』

　　-(へ?何で名古屋?)近い近い。車で一時間位。でも何で名古屋知ってるの?

　　『だってリネカーは名古屋グランパスで大活躍したんだろ!』

だそうです。いや特に否定はしませんでしたけどね。

てな時間を過ごしつつ、練習は終了。(瞬発系1時間、ゲーム1時間というかなりハードな内容だった)
選手が引き上げてくる中、スーツのおじさんがカニーヒァに声をかけて僕の方に連れてきてくれた。
向こうも、試合の日の事を覚えているらしかった。(気のせいかも知れない)

がっちり握手して、早速サインを...と思ったが僕の持ってるマジックは黒でサインがちょっと
難しそう。するとおじさんは自分が持ってる銀のペンを貸してくれた。何から何まですまんです。

そしておじさんに促されるままにがっちり記念写真。
#口元が引きつってると言われますが、とにかく寒いのよ

　　『来年、日本でワールドカップがあります。代表に復帰して日本に来るのを待ってます』

など、緊張と興奮で言える訳ない。

#ほんの数分間だったが、間違いなく今のところ僕の人生での最大のハイライトシーン。
#代表の試合をスタンドから見てる限り、絶対に有り得なかった一場面。
#そういう意味ではここまで引っ張って正解だったのかも。
#ダンディの親切な方々も含めて一生忘れられない思い出となった。
#この寒い日に頂いたコーヒーの味も。(あれっ?紅茶だったかな?＜忘れてるやん)

カニーヒァ、おじさんに別れを告げ、駅に戻る。
ダンディ→グラスゴウに移動。
列車を待つ間に食事を。ちゃんと食べたかったので、駅から遠いけどガイドブックに載ってたカレー屋へ。
ちょっと上品な店で場違いっぽかったけど、味は良かった。
駅に戻り、夜行列車でロンドンに戻る。

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因みにサインはこんな感じ。
普通は"CANI"だけなんだけど、ここはスペシャルヴァージョンでした。

Caird park

コメント 2

こんばんは。ご無沙汰しております。
自サイトに書き込みありがとうございました。
懐かしい旅行記読めてうれしいです。彼は今何してるんやろ・・・

余談ですが、サードガールの完全版が出るのはご存知ですか？
by かおる (2006-10-11 01:09) 

＞かおるさん
ご無沙汰しております。お元気ですか。
一時期ネット難民だったのですが、ようやくこの旅行記を書き始めることができました。
結構マメにメモしていたので、五年前のことでも何とか思い出しながら書けるの
ですが、毎日行き当たりばったりですな。

サードガール、いよいよ完結か、と思いましたが、どうも未収録の二話を
加えたリニューアル版みたいですね。(最近のRushと一緒に遭難したい人と
同じパターン)
まぁアレほど待ってたメディックスのコミックも意外なほど感動はなかったので
サードガールもこのまま完結しない方がいいのかな、という気もします。
by mineja (2006-10-13 21:05)